院長コラム

歯周病を発現させる遺伝子が特定される 

2017.01.09

米国 コロンビア大学歯学部と医学部の研究チームが、歯周病の発現の主要制御因子となる41個の遺伝子を特定したと、昨年の the Journal of Dental Research において発表しました。女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳がんの遺伝子を持っているということで乳腺の除去手術を行ったことは、記憶に新しいですが、今後遺伝子解析がもっと進んで新薬が開発されれば、歯周病も怖い病気では無くなるかもしれませんね。

タバコの害

2016.12.04

 家族の吸うたばこの煙にさらされた子どもは、家族に喫煙者がいない子どもに比べて、三歳までに虫歯になる可能性が二倍になったとの研究結果を、京都大の川上浩司教授と田中司朗准教授らのチームが発表しました。チームは、神戸市で二〇〇四~一〇年に生まれた七万六千九百二十人のデータを解析。生後四カ月での受動喫煙の状況と、三歳時点で一本以上の虫歯や歯の欠損、治療歴があるかどうかを調べた結果、家族に喫煙者がいる子は全体の55・3%おり、家族に喫煙者がいない子に比べて虫歯になる可能性が一・四六倍になったそうです。特に、面前で吸われる環境にあった子では二・一四倍に高まったということです。

 これまでの研究では、受動喫煙によって唾液の成分が変化し、虫歯の原因菌が集まって歯垢(しこう)や虫歯ができやすくなる可能性が示されています。

 川上教授は「子どもの健康な発育のため、大人は生活習慣に十分気を付けるべきだ」と話しています。子供のためにも喫煙は控えたいですね。

 

食道がんと歯周病

2016.10.29

熊本大学大学院生命科学研究部の馬場秀夫教授らは、歯周病の原因菌の一つ「フソバクテリウム」が食道がんの進展に関与することを突き止めました。同大学医学部付属病院で手術した食道がん患者のがん組織を調べたところ、約2割の症例でこの菌が存在した。検出された患者は、非検出の患者に比べて手術後の生存期間が明らかに短かったそうです。この菌を狙ってがんの進展を抑える薬の開発につながる可能性があります。日頃から歯周病をコントロールしていれば、がんになっても根治できる可能性が高いですね。 馬場先生の成果は米科学誌クリニカル・キャンサー・リサーチに掲載されています。
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